あらすじ
この本はただのネギ農家がブランディング戦略で成功した体験を語るビジネス書では無く、農業素人の作者寅さんが、自身のスポーツで培ってきたアスリート精神で0%の才能と100%の努力で勝負するが作者のモットーであり、消費者金融で働き、そこでまともに取り立ててたら逃げられたりするので相手の虚を突心理戦で営業成績もトップになりました。
そして会長に様々な事業を任されて7社の社長を歴任、厳しいと言われる会長の期待に応えようと懸命に働くがストレス性の病気をいくつも抱えてしまいました。このきっかけを機に自分の事業を持ちたい!と考えていた折に農業へと転身しました。従来の農業では当たり前と思われていたことを全て覆し、多くのピンチを乗り越え、たくさんの仮説→検証を繰り返し、試行錯誤の末にネギのブランディング化、肥料の開発などネギにまつわる様々な常識を素人だからこそ、固定観念に縛られずに大躍進しました。その姿はまるでスラムダンクの桜木花道のように思えました。
ネギのブランディング戦略の成功体験だけでなく仕事観や作業者の働き方の見直し、仕事に対するマインドセットを変えるような環境づくり、作業効率の見直しや仕組化にも取り組んでおり、いい意味で裏切られた本です。
固定観念に捉われなくなぜそうしなければならないのか?他にやり方はないだろうかという考えはこれからの変化の激しい時代に必要なマインドですがまさかネギ農家に教わるとは目から鱗でした。
次に読む本
堀江貴文VS外食産業の経営者 堀江 貴文
この本は堀江貴文さんが飲食店の有名経営者との対談方式による構成となっています。業務の省人化や人材育成、立地、経営戦略が店のコンセプトによって大きく変わり、一方は店舗を展開していくことをよしとするが、もう一方はあえて展開せずに店の名前を変えるなら出していいなどブランドイメージや店長の重圧を与えないようにあえて作らないなど外食産業にまつわる事情が知ることが出来て興味深かったです。堀江さんの鋭い指摘や堀江さん自身も外食産業に携わっているからこその洞察力などが読んでて引き込まれました。
外食産業に携わる人はもちろんのこと、全く関係ない自分でも外食産業がこれからどうやって生き抜いて行くのか。経営戦略や職人としてのマインドをこれからの時代にどう落とし込んでいくのか大変興味が湧きました。ジャンルによって手法も変わったり省人化で大幅なコストカットしたり、人材育成に力を入れたり多種多様で面白かったです。堀江さんの切り口がとても鋭く、徹底的に無駄を排除する生産性の高さとは裏腹に食に対してものすごく精通しているので堀江さんに対するイメージがいい意味で変わりました。外食産業に関わる人もそうでない人もとても面白い一冊だと思います。
なぜネギが1万円で売れるのか?
作者の努力の賜物によるネギのブランディング化や肥料の開発は仮説と検証の繰り返しで従来のやり方に捉われてたら生き残れなかったかもしれません。初心者だからこそのなぜそうなるのかという考えに至った結果だと思います。
堀江貴文VS外食産業の経営者
職人として極めた先にあるものとこれから変化していくものとどう共存させるのか。ただの職人だけではこれからのコロナ時代とAI時代を生き抜くことが出来ないので従来のやり方の見直しや人材に力を入れて良い職人を育てるところもあればほぼ省人化による大幅なコストカットによる破格の値段で繁盛したりしていていました。
どちらの本にも共通する点は従来のやり方や戦略を変えながら柔軟な姿勢を取り、もちろん美味しい食への拘りと変化に対する柔軟性が感じられ、この2冊を選ばせていただきました。
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