あらすじ
本書はリーダーに必要な「頼る力」、つまり「外注力」の重要性を解説しています。著者は経営コンサルタントであり、現在は中小企業の組織改革支援を行っています。多くのリーダーが「自分でやらなければならない」と感じている中、その解決策として「外注力」を提案しています。外注力とは、自分の強みに集中し、その他の業務を外部に任せる技術で、これにより組織の成長スピードが加速すると言います。
「外注力」のメリットには、得意分野への集中、社員のモチベーション向上、業務改善の進行などがあり、外部の専門家との協力も推奨されています。リーダーは、信頼できる人材を見極める力が求められます。実際に、クラフトビール事業の成功事例なども紹介されており、実践的なヒントが満載です。
また、「頼る力」を活かすために、リーダーはビジョンを明確にし、それをチームと共有することで組織の生産性向上を目指すべきだと述べています。

私もチームリーダーとして、初めての頃は「すべて自分でやらなければならない」と感じ、人に任せることに不安を覚えていました。しかし、村井庸介氏の『頼る人はうまくいく』を読んでから、リーダーとしての役割を再考し、自分の強みに集中し、それ以外の業務を他者に任せる「外注力」を意識的に活用するようになりました。その結果、自分自身の疲弊を防ぎつつ、チーム全体の効率とアウトプットの質が向上しました。本書で紹介されている「頼る力」の考え方は、まさに私が実践しているスタイルと一致しており、非常に納得のいく内容でした。リーダーとしての成長とチームの成果を同時に実現するためには、「頼る力」を意識的に育むことが重要であると再認識しました。
次に読む本
最高のリーダーは何もしない(藤沢久美)
1. ビジョン型リーダーシップの提唱
従来のトップダウン型リーダーシップに代わり、リーダーの役割は魅力的なビジョンを創り、それをメンバーに浸透させることにある
2. 「何もしない」リーダーの本質
メンバーに指示を出すのではなく、環境を整え、メンバーが自律的に動けるようにサポートする姿勢が重要である
3. 内向的な性格の活用
心配性や繊細さなど、内向的な特性がリーダーシップにおいて強みとなる
4. 人間関係のマネジメント
部下全員と「中立」を保ち、敵を作らないことがリーダーに求められる
5. 成長するリーダーの条件
他者から素直に学ぶ姿勢や、貢献の「見える化」、社会貢献への視点などが挙げられている

内向的に常に考えているリーダー像については、大変なことですがとても参考になります。古典的名著『ビジョナリー・カンパニー』と主旨が重なる部分があります。この書籍は、リーダーシップにおける「何もしない」という逆説的なアプローチを通じて、チームの自律性と成長を促す方法を示しています。
おススメポイント

現代のリーダーに求められる「任せる力」「頼る力」という重要なテーマに焦点を当て、その基礎となる考え方や、それを補強・実践するための関連スキル(言語化、ファシリテーション、マネジメント)を読者であるリーダー層の課題解決や成長を支援しているため。
従来のリーダー像からの発想の転換を促し、新しいリーダー像、特にビジョン型リーダーについて説いている点が評価されます。
藤沢久美氏が多くのトップリーダーにインタビューした内容に基づいています。
特に、「内向きだからリーダーなんて」と思い悩んでいる人にとって、何かしらの足掛かりになります。
コメントを残す