ある閉ざされた雪の山荘で(東野圭吾)の次に読む本は

あらすじ

オーデションに合格した男女7人が
とあるペンションに集められた。
集合をかけたのはオーデション主催演出家の
“東郷陣平”。
7人は人里を離れ、通信が遮断されたという設定の孤立したペンションで、舞台稽古を積むよう指示される。
ラウンジにの本棚に置かれている推理小説。
『そして誰もいなくなった』
『グリーン家殺人事件』
1人、また1人といなくなる度に置かれてている死体の場所を示すメモ。
そして血痕。
これは、演技なのか事件なのか…

Doraの読書

集められた7人の内、唯一同じ劇団に所属しない、久我の冷静な考察は、湯川学や加賀恭一郎の若かりし頃のようだ。

東野さんの作品はミステリーでありながら「人間味」があり、本書も憎めないキャラ揃いで好感が持てる。
ミステリーが苦手な方も
さらっと一気読みができる一冊だ。

映画も拝見したが、現場の張り詰めた緊張感や登場人物のキャラクターは、
やはり文章の方がよく伝わるのではないかと思う。

次に読む本

十角館の殺人(綾辻行人)

十角形の奇妙な形の館が建つ海の孤島に
1週間ほど滞在することになった
ミステリー研究会に所属する7人の大学生。
この孤島でミステリー好きの学生たちは、生々しい殺人事件を次々に目の当たりにする。一方本島では十角館に纏わる事実が明らかになっていく。

Doraの読書

作家の辻村深月さんも大絶賛する本格派ミステリー。
一行で大どんでん返しが起こる筆技は、ミステリーの枠を超え、正に芸術的だ。
IT通信網が発達した現在ではあり得ない殺人事件だと分かっていても、惹きつけられる構成は凄いとしか言いようがない。
同様に孤島殺人系の著書で
「アガサクリスティー」の
「そして誰もいなくなった」
があるが、結末の白黒の付け方が本書の方が潔く、うやむやな余韻が残らないので好感が持てると思う。

おススメポイント

Doraの読書

「ある閉ざされた雪の山荘で」は
張り詰めた空気感を持ちつつ、
結末はソフトなので、ミステリー初心者にもお勧めだが、
上記作品を読んで、物足りなさを感じたり、孤立系ミステリーを深めたいと思われたなら、ミステリーの王道であり、且つ珠玉作品「十角館の殺人」をお勧めしたいと思う。
全てが明らかになる驚愕の一行を読めば、
ミステリーに夢中になる方もいるかもしれない。

また、まだ本格派は控えたいが、緊迫感や情景をイメージして読み進めたい方には
「湖畔荘上下」
「ケイト・モートン/青木 純子訳」
をお勧めしたい。




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