「介護現場歴20年。」(安藤なつ)の次に読む本は

あらすじ

お笑い芸人でありながら介護福祉士の資格を持つ安藤なつが、幼少期の伯父の介護施設でのお手伝いに始まり、介護現場を20年間経験して感じたこと、学んだことを綴った内容です。介護の厳しさとやりがい、介護の必要な高齢者と直接の触れ合いから得られる喜びといった現場のリアルを、彼女独自の視点で描き出しています。

福行

今や人気お笑い芸人として活躍する著者のもう一つの顔である介護福祉士として歩んだ道筋が書かれています。この本を読めば、お笑い芸人としては結果として成功することができましたが、著者は芸人の道よりも介護福祉士として働くことをメインにしていたことが分かります。それほど介護の仕事に面白さや、やりがいを感じていたのでしょう。

個人的には特にchapter4の認知症のおばあさんとのやり取りはセンスもあって上手だなと感じました。また、介護の話は少なからず専門用語が出てきたり、エピソードを踏まえた例えが出てきます。chapterの間に挟まる専門職との対談では、前のchapterを踏まえたうえでの展開になっているため、大変読みやすく、対談の内容的には専門職でもうなずく内容が分かりやすく書かれていました。特に、chapter3のあとのデイサービスの話は、そうですよねと思うところが多かったです。

介護関係の本というのは、専門性もあり、同じ介護業界の人などに多く読まれる印象があります。しかし、この本は介護の本でありながら、難しい内容はマンガも加わり、介護を知らない方でも分かりやすく、読みやすくなっていました。対談では今その職に就いている方々でも、うなづける内容が書かれていました。介護のことが気になる方々へのはじめの1冊にはおススメの本だと思いました。

次に読む本

「さびしい夜はペンを持て」(古賀史健)

中学生のタコジローは学校でいじめられ、周りに合わせて生きているため居場所を見つけられず、自己嫌悪に陥っていました。ある日不思議なヤドカリおじさんとの出会いをきっかけに、「日記を書く」ことを通して自分と向き合う内なる旅に出ます。冒険の剣、冒険の地図を得て進む中、その先でタコジローが見つけた自分とは…

福行

引き込まれるタイトルでした。寂しい夜には誰かと居たいものという感覚を持ってましたが、この本はペンを持てというものです。物語を通して日記を書く大切さについてヤドカリおじさんはタコジロー君に話をしてました。実際は日記を書くという行為が、「その時に演じてしまう自分」をみつめ、自分とは何者なのかを探しにあなた自身が行きます。その具体的な方法が 本書には書かれております。

「日記なんてあまり興味ないな」とか「日記書いたってそんなに長続きしないよ。今までもそうだったし…」と思っている方々は、この本を読む中で遭遇する「冒険の剣」と「冒険の地図」手に入れた時、それまでのような 消極的な感想はなくなるかもしれません。本の帯にも書いてありましたが、読んだ後に日記を書いてみたくなるような大変面白い本でした。

SNSなどで常に誰かと繋がっていることが求められがちな現代において、一人の時間の大切さ、自分自身の考えや感情に正直になることの重要性を伝えています。自分の思いを言葉にできない人にとって、心の支えとなる一冊です。

おススメポイント

福行

AI に仕事を取って代わられる時代に、介護の仕事はこれからも人間が続けていく仕事になるそうです。人間が人間を相手にする時、人と関わる仕事ならではの楽しさがあります。言葉にはならない感動、達成感、あるいはネガティブな思いも様々抱くでしょう。そのような自分の中に存在する感覚を「文章」にできれば、大切な人と共有できるはずです。日記は自分のために書く文章だけれど、言葉にならない思いを文章にできる力は、介護の仕事においては記録力、また仕事の楽しさを伝える発信力にも変わるでしょう。「介護現場歴20年。」を読んで心が震えた方や興味を持たれた方、ぜひ「さびしい夜はペンを持て」を読んであなたの頑張り、感動や思いを文章にしてみてください。

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