あらすじ
FIRE(Financial Independence, Retire Early)とは「経済的自立と早期退職を目標とする人生戦略」を指します。 日本では「アーリーリタイヤ」という呼び方のほうがおなじみかもしれませんね。 中国出身のカナダ人である著者が、自分の生い立ちからFIREとなるための道筋、達成後の生活について語ります。
この本の一番の魅力は、著者のクリスティー・シェンさんの人生の歩みです。 もともと中国の貧しい地域で生まれ育ったシェンさん、ゴミ捨て場の医療廃棄物から拾ったものをおもちゃにしていたり、親族たちの生活を支えるために両親とともに厳しい生活を送ったりと、非常に衝撃を受ける内容です。 大学の学部選びでは、「授業料」と「就職先業界の平均収入」でコスパを計算するなど、経済性に対する明確なビジョンをお持ちです。 その後も勤めていた企業がブラック企業化するなど、波乱万丈! もちろん、シェンさんがFIREとなるまでに目標としたこと、ポートフォリオの内容などはきちんと書かれています。 それでも、一人の女性の生きた道としての面白さが光ります。 岩本正明さんの和訳も、とても読みやすかったです。
次に読む本
本気でFIREをめざす人のための資産形成入門 30歳でセミリタイアした私の高配当・増配株投資法 穂高唯希
同じくFIREがテーマの本ですが、日本人のサラリーマンがFIREとなったという内容です。 こちらの穂高唯希さんは、サラリーマンとなってからの収入をコツコツと投資することで、収益の良いポートフォリオを達成。実際に30歳でアーリーリタイヤに成功しています。
「FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる究極メソッド」のシェンさんほど壮絶な人生ではありませんが、こちらの穂高唯希さんもなかなかエキサイティングな方です。 海外の大学に行かれたり、世界のいろんな場所を見てきたり。 こういう方だからこそ、会社に勤めてからすぐに、FIREとなるための計画ができたのかもしれません。 具体的なポートフォリオが紹介されており、かつ、日本のネット証券で購入できる銘柄であることが、非常に参考になります。
FIREがブームになっているため、書店には何種類も関連書籍が並んでいます。 私も数冊読みましたが、ぜひ紹介したいと思ったのがこの2冊です。 FIREとはなにか? 自分の人生を豊かにするためには? と考える機会として、まずは「FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる究極メソッド」をお手に取っていただきたいと思います。 次に、私達により馴染みの深い日本人サラリーマンからのFIRE「本気でFIREをめざす人のための資産形成入門 30歳でセミリタイアした私の高配当・増配株投資法」。 この順番がおすすめです。 FIREを目指していなくても、低リスクでの資産運用という視点で勉強になります。
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