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君の膵臓をたべたい(住野よる)の次に読む本

あらすじ

ある日、同級生の山内桜良が膵臓の病気で余命宣告を受けた身であることを主人公は偶然知り、それをきっかけに二人の奇妙な関係が始まる。半ば無理矢理に桜良の「死ぬまえにしたいこと」に付き合わされる主人公。それまで極力人と関わらず、流れに任せて生きてきた主人公だったが、桜良と時に衝突しながらも、徐々に自分の生き方への考えを変化させていく。

sheep2015
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何にしてもまず、猟奇的なタイトルに驚かされます。恐る恐る読み始め、主人公たちの軽妙なやりとりに引き込まれて一気に読み進み、最後に「君の膵臓をたべたい」というタイトルに深く納得しました。恋愛小説としての完成度もさることながら、「生きる意味」というテーマを説教臭くなることなく自然に取り上げた優れた小説だと思います。

次に読む本

ひとめあなたに…(新井素子)

癌を発症し余命いくばくも無くなった恋人の朗から、圭子は突然別れを告げられる。ショックで酔いつぶれた翌日、圭子が目覚めると、「隕石の衝突でもうすぐ地球が滅ぶ」というニュースで世間は狂乱状態に陥っていた。公共交通機関もストップする中、最後にもう一度朗に会いに行くことを決意した圭子は、道中で様々な狂気を抱える女たちに出会いながら、朗のいる鎌倉を目指して進み続ける。

sheep2015
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今まで書かれてきた「ひとめあなたに…」の感想や書評で言われていることの繰り返しになってしまいますが、圭子が最初に出会う女性「由利子」のエピソードがとにかく強烈に印象に残ります。ネタバレ防止のため詳しくは書けませんが、これから読もうとしている方は、荒井由実の「CHINESE SOUP」を聴いてから読み始めることをおすすめします。

sheep2015
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両作品とも、死期が迫った人間の物語です。もうすぐ死ぬとしたら、最後に何をしたいか、つまるところ「人は何のために生きるのか」という問いに対して、主人公たちは「人と深く心を通わせること」という答えを選びます。恋愛小説だから当然の結論と言われればそれまでですが、その結論に至るまでの過程が両作品とも丁寧に語られています。ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」でも同様の問いの答えを主人公が探す姿が描かれるので、次の次に読む本として良いかもしれません。

この記事を書いた人

sheep2015

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放っておくとだいたいSFとホラーに手が伸びる大学生。最近書評ブログを始めました。本は最初は本棚に並べてても、結局どこでも読めるように部屋中に散乱させる派。アイコンの羊は、「羊をめぐる冒険」と「天冥の標」へのリスペクトです。

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