『悪いものが、来ませんように』芦沢央

あらすじ

助産院で働く紗英と銀行員の夫大志の間は、冷め切っていた。夫には恋人がいる。それでも子どもが欲しい紗英は、夜勤明けの眠りに落ちそうな日でも毎朝基礎体温を測り続ける。 紗英が心から安心して頼れる相手、なっちゃんこと奈津子はいつも紗英の味方だ。なっちゃんなっちゃんと、奈津子に頼り切りの紗英。奈津子は紗英の不満をいつも聞いてくれて、自分のことのように怒ってくれる。 ある日、ついに大志が帰らず、紗英は大志の職場を訪れる。しかしそこで聞かされたのは、大志が無断欠勤しているということで…

にゃんこくらげ
にゃんこくらげ

物語は、紗英や奈津子を中心にした話と、何らかの事件を起こしてしまった奈津子に対する証言を交互にしながら進められていきます。 今の自分の不幸がある理由を、誰かに求めてしまうのは、周りはおろか自分とも向き合えていないからでしょう。タイトルにもある、悪いものが来ませんように…この言葉が自分以外のものの為に願われるのは、そこに愛情があるからのはずです。 悪いのはあなたのせいではない、とするのは愛や優しさからかもしれないけど、本当にその人のためになるのかな… 絶対エピローグまで読んで!必ず衝撃を受けるはず。

次に読む本

『ゼロ・ハチ・ゼロ・ナナ』辻村深月

地元から飛び出し、東京でライターとして働くみずほ。彼女は、疎遠になっている友人達の一人一人に会いに行く。地元に残った心優しい幼なじみ、今は実母を刺して逃げ続けるチエミについて聞く為に。

にゃんこくらげ
にゃんこくらげ

精神的に超重量級…。みずほが話を聞きに行く旧友達も、みずほ自身も現状への不満と不安に身を焦がしています。それを表面上は取り繕って、でも透けて見えて。 辻村深月さんはホント、女性の暗くて歪んだ心理を書かせるなら日本代表選手です! 簡単には切り捨てられないし、本当なら切り捨てたくないという愛の甘えに対して、一撃を喰らいました。

にゃんこくらげ
にゃんこくらげ

身に染み付いた価値観や、どうにもコントロール出来ない癖のようなものを、環境や周囲のせいだと考えることって誰しもある経験かと。でも分かっているはず。人のせいじゃなければ「全部わたしのせいになってしまう。」 両作品ともその甘えが生んだ悲劇。 そんな自分から脱却したいと思う人に。

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