あらすじ
ある日、グレーゴルは巨大な虫になっていた。不気味がる家族。それでも、食事を与え、部屋の掃除をする。中でもよく世話を焼いてくれたのは妹だった。言葉も通じず、しかし思考は残っているグレーゴルとその家族は、次第に心が離れていきーー。
松波慶次
人間が虫になるという、恐ろしい話のこの作品。虫になることも恐ろしいですが、グレーゴルとその家族の心の変化が、読み終わると複雑な思いを抱かせます。長く読まれる名作とあって、心に残るものがありました。
次に読む本
人間に向いてない(黒澤いづみ)
ある日、美晴の息子、優一は虫になった。流行りの奇病、異形性変異症候群に罹ったのだ。優一を人間扱いしない父親に、元々引きこもりで親子のコミュニケーションをとれていなかった優一。美晴は、どうにかこの生活を解決しようと1人模索する。優一はどうなってしまうのか?美晴の行動は吉と出るのか?
松波慶次
「人間が虫になる」という繋がりで選びました。「人間に向いてない」に登場する「変異者」は、想像すると非常にグロテスク。人間関係もリアルにあると頷けるほどドロドロ。しかし、読後感は悪くない。「変身」で抱いた複雑な思いを、「人間に向いてない」ですっきりさせてください。
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