あらすじ
森宮優子は、父親が三人、母親が二人いる。何度も苗字が変わり、保護者が変わり、住む場所や環境もがらりと変わる環境の中で育ってきた。けれでも、優子は5人の親にたっぷり愛されていて、血は繋がらなくても「家族」であることを感じられる。最後の父親となった血の繋がらない森宮さんは、ちょっとずれているけれど、親に負けないくらいたくさん愛情を注いでくれた。目の前の人を愛すること、大切に想うことが素敵に思える感動の1冊。
こんな異色の設定ですが、瀬尾さんは本当に家族を描くのが上手くて、いつの間にか馴染んでいて全く違和感なく読めました。笑いあり、涙ありで最後はタイトルの意味が胸に響きます。ラストシーンは忘れられないですね。2019年本屋大賞受賞に納得です。
次に読む本
ウズタマ(額賀澪)
父子家庭で育った周作は、シングルマザーの紫織との結婚を考えているが、血のつながらない子を育てることに自信がなく、どこか迷いもあった。そんな時、父から渡された謎の預金通帳をきっかけに、家族の過去や母の死について調べ始めるようになる。そこで皆瀬という存在に行き着いて…。ミステリー要素もありつつ、「家族愛」を感じられる温かい1冊。
タイトルからはどんな話か全く想像がつかず、手さぐりで読み始めましたが、とにかく泣けました。外で読むことはお勧めしません。タイトルのウズタマはウズラの卵のこと。きっとあなたも、サッポロ一番塩ラーメンのウズタマ乗せが食べたくなります。
「そして、バトンは渡された」も「ウズタマ」も血の繋がりよりも濃い家族の絆を感じられる作品ということで紹介させていただきました。森宮さんが優子を思う気持ち、皆瀬が周作を大切に思っていた気持ちには通じるものがあります。どちらも号泣必須の感動作です。
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