あらすじ
娘を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から物語は始まります。
各章ごとに語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」など、一人称視点で次々と変わり、次第に事件の真相に迫る、といった内容です。

映画化でも話題になった作品です。一言でいえば非常に「人間クサイ小説(ミステリー)」です。物語の構成も斬新で引き込まれますし、登場人物への感情移入もしやすいかと思います。犯人はだれかを推理するよりは、物語のその瞬間で、「誰が何を思い行動しているか」を推理しながら読み進めると作品にハマると思います。
次に読む本
天使のナイフ(薬丸岳)
妻を殺した三人は当時少年だった。四年後、犯人の一人が何者かによって殺され、主人公が殺人の被疑者となる、といった内容です。

タイトルが絶妙です。これぞまさに「ミステリー小説」です。個人的に大学が法学部だったこともあり、もともと日本の司法制度には興味がありました。「法律」に興味がある方へも自信を持っておすすめ出来る作品です。

共通点は多くありますが、選定理由として2つのキーワードをあげます。
1つめは「復讐」。それぞれ復讐のやり方、ヒト、背景、結末等、全く違いますが、人間の「復讐心」で物語が動いています。
2つめは「少年犯罪」。特に『天使のナイフ』は、この結論を出すのが難しいテーマに対し、真正面から向き合っている作品だという印象を受けます。賛否両論を非常に丁寧に取り扱っているのです。この理由で『告白』→『天使のナイフ』の順番に紹介させていただきました。
この記事を書いた人

みなぞう
妻と2歳の男の子の3人で暮らしているアラサーです。本業(通信会社の営業)をしながら、先日雑記ブログを始めました。自他ともに認める多趣味で、成長や変化に敏感です。本は小さい頃から大好きで、ジャンルの守備範囲は広め。最近は小説や教育系のビジネス書を主に読んでいます。