あらすじ
妻と娘が乗ったバスが事故に遭った。 妻は死亡。しかし、目覚めた娘の中には「妻」がいたーー。 娘である「妻」と、妻である「娘」。 逃れられない葛藤の先に待つ結末は、大きな「秘密」と涙だった。
ネタバレ
平介は、「娘」の中に「妻」がいることを隠していたので、そのことが「秘密」だと思い読み進めていました。しかし、妻は本来あるべき日常に戻そうと、「娘」の中から消え、本当の娘が戻ってきたと見せかけたのです。
平介は、最後、娘の結婚式当日にそのことを知るのですが、それが真の「秘密」であったことを読者が分かるとともに、平介の悲しいとも虚しいともいえない深い気持ちに触れ涙を流すのです。
次に読む本
慟哭(貫井徳郎)
連続幼女誘拐事件が発生した。犯人を追う警察官と、怪しげな宗教の存在。
果たして犯人の目的は? 誰がこのような凄惨な事件を引き起こしているのか?
真相に辿り着いたとき、読者は初めて、真の「慟哭」を目の当たりにするーー。
松波慶次
どちらの作品にも共通するものは、そのタイトルの意味を、物語の最後に理解するということ。 そして読者は、タイトルの重みを感じ、魂を激しく揺さぶられるということ。 きっと、物語の中の登場人物と、同じように打ちひしがれ、ぶつけようのない虚しさを得ることでしょう。 「秘密」で声にならない涙を流したあとは、「慟哭」で抑えていた声を叫んでください。
コメントを残す