あらすじ
自己啓発の源流とまで呼ばれる「嫌われる勇気」の続編。前作で老人との対話でアドラー心理学を学んだ青年が、いざ現実世界で実践しようと試みるも、うまくいかず苦悩する。 もう一度老人との対話を通じ、アドラー心理学は単なる理想であるか、それとも実現可能かを確かめていく。
本著では、「賞罰」について猛烈に批判している。 しかることも、褒めることも、承認欲求の奴隷を育成することになるからである。 賞罰・承認欲求の次元ではなく、他人との関係を「愛」のレベルで語らおうとする、アドラー心理学を前作よりさらに深く掘り進める1冊。
次に読む本
ケーキの切れない非行少年たち(宮口幸治)
なぜ非行少年は非行少年となりえたのだろうか。 多くの非行少年は学習が苦手というが、果たしてそれだけだろうか。 彼らは認知機能を中心に、何かしら問題を抱えていることが多い。 その問題が、周囲の状況を読むことを難しくし、また劣等感を生む。 そうした子どもたちは、悪目立ちすることで承認欲求を満たすこととなる。 しかしながら、現代の教育では、学習に対する対処療法と、なんでも褒めるという2つの行為ばかりにスポットライトが当たっている。 そうではなく、しっかりと根本の原因と向き合い、解決していくことが重要である。 |
つながりとしては、承認欲求がテーマ。 幸せになる勇気では、まさに教員になった青年が、叱る行為、褒める行為について悩む場面がある。 「ケーキの切れない非行少年たち」では、具体的に非行少年の行動や心理、そもそもの経緯が書かれている。 その片棒に、承認欲求が加担していると考えると、改めてアドラー心理学を学びなおしたいと思うキッカケになった。 私は「幸せになる勇気」の「賞罰」に関する部分をより具体化したのが「ケーキの切れない非行少年たち」と感じたが、逆に「ケーキの切れない非行少年たち」を読んで、「幸せになる勇気」または「嫌われる勇気」に立ち戻り、アドラー心理学を学ぶことも推奨したい。
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