読みやすいエッセイで、読むこと自体はさっと読めますが、考えさせられる点が多いです。
あらすじ
アイルランド人の父、日本人の母、その息子。学校生活を中心に、様々な社会問題を取り上げ、考える本。
人種の問題。差別する意図はなかったであろう発言でも、受け手にとってはキツく聞こえてしまうこともある。ひとりっこ政策(中国で昔に実施されていた)も、中国人に向けて発言したら修羅場だっただろう。書籍では、日本人に向けて発言されたので、そこまで深刻にはならなかった。
学校間の格差。上位校は幸せかと思いきや、授業についていけない生徒を見捨てて優秀な生徒に向けた授業になっている。
スポーツでも、コーチが付けられるか、水泳プール等専用の競技場で練習する機会があるか、などで、親の経済力の差が如実に反映される。
親の経済力のくだりで、ブレイディみかこさんの息子が、貧乏な友達のために中古の制服を買おうとするお話が印象に残りました。とても友達思いの優しい子ですね。
次に読む本
映画ドラえもん のび太の月面探査記(辻村深月)
ブレイディみかこさんの息子の行動から、のび太くんのセリフを思い出しました。
友達が悲しい時には自分も悲しいし、嬉しい時は一緒に喜ぶ。ただ友達っていうそれだけで、助けていい理由にだってなるんだ
のび太のセリフ(小学館ジュニア文庫版p136)
のび太の学校に転校生ルカがやってくる。ルカは異星からやってきたらしいが、事情により身を隠し、ルカの家族は月でひっそりと暮らしている。のび太はルカと友達になり、月で一緒に遊ぶ。
しかし遊んでいる途中でトラブルが発生する。普段は隠している能力を使ってしまったため、ルカたちは、母星の人たちに見つかり、連れ去られてしまう。
のび太は決意する。「ルカを助けに行くんだ。」ドラえもん、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんと共に。
友達思いののび太。友達のために全力で行動するのが素敵です。ルカを助けに向かう直前の心の葛藤の描写も素晴らしいです。
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