あらすじ
NFTを実際にビジネスに活用した事例を取り上げ、紹介している本。
- 絵や音楽といったアートをNFT化して配布する
- スポーツクラブやアイドルなどのファンクラブ会員証としてNFTを活用する
といった、思いつきやすい活用事例から、
- ホテル宿泊権
- 卒業証書
といった、一風変わったNFTなど、全部で100件。
大企業が取り組んでいるものから、飲食店一店の取り組みまで、大小さまざまな規模の事例が紹介されている。
NFT専門の情報メディア「NFT Media」が集めた事例が様々なものがあったので、100個読むのもあっという間に感じました。
「ホテル宿泊権」は、二次流通(NFT購入者が第三者へ譲渡・転売可能)という特性を活用していました。一方で「卒業証書」は譲渡不可にすることで、資格証明書として活用しています。このように、NFTの特性をうまく活用した事例をたくさん知ることができて良かったです。
次に読む本
「エンジニアのための実践SYMBOLブロックチェーンアプリケーション」株式会社OpeningLine (著)
ブロックチェーンを実際に活用していくための入門書。ブロックチェーンには、Symbolを採用している。
書籍の前半は、Symbolの基本的な機能の解説。
- トランザクションの実行
- アグリゲートトランザクションの実行(複数の処理を一括処理する。例: ユーザーAはユーザーBに代金支払う&BはAにチケット発行する)
- モザイクの発行(モザイクはSymbolの用語で、他のブロックチェーンの「トークン」に相当する)
- ネームスペースの作成(ネームスペースは「ドメイン名」のようなもの)
- メタデータの付与
- トランザクションの監視
などの主要な機能について、実際のコード付きで解説がある。またYouTube上で動画で確認できる。
書籍の中後半では、実際のアプリケーションを作成していく。NFTを使ったWebアプリケーションにも一章が割り当てられている。
本書で取り上げられているSymbolは、インターネット経由で処理を実行していく操作が、従来のウェブサービスに近いと思いました。このため、ウェブサイト・ウェブアプリを作ったことがあるエンジニアには非常に取り組みやすい、と実感しました。
たとえば、「ウェブサイトに地図を埋め込んで距離計算」といった処理を書く場合、地図サービスのAPIを呼び出すプログラムを書いていけば実現できます。
Symbolブロックチェーンの場合も、規定のAPIを呼び出すことで、プログラムを作っていけます。NFTのような複雑な仕組みであっても、Symbolの標準機能を組み合わせていくことで実現できます。
おススメポイント
「NFTビジネス活用事例100連発!」では、規模の大きな事例だけでなく、小さな事例も載っていました。ベンチャーやスタートアップでも、ブロックチェーンをビジネスに活用できる、という手応えが感じられるでしょう。
NFTに興味が湧いてきたら、次は、どうやって実現するか?ですね。
「エンジニアのための実践SYMBOLブロックチェーンアプリケーション」が明快な答えになると思います。ブロックチェーンというと一見敷居が高そうですが、この本でSymbolの標準機能を学習すると、ビジネスに活用できるでしょう。
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