あらすじ
大学の夏休みに初めて日田に帰省をすることになった広瀬創造。
帰省先での、初恋の人や懐かしい友人との再会、地元の人との出会い。
愛する地元で過ごすひと夏の物語です。
私は昭和の時代は知らないけれど、きっとこの本の物語のように人との距離が近くて、思いやりに溢れた時代だったんだろうなと思います。著者の岩橋さんは日田出身とのことで、日田の描写は地元の人の目線でそのまま描かれている感じがしました。読んでいるうちに日田に愛着が湧いてきて、いつか私も日田に訪れて精霊流しや祇園祭を見てみたい、と思いました。
次に読む本
夜のピクニック 恩田 陸
年に一度、貴子の学校で開催される行事「歩行祭」は、全校生徒で80キロを歩きとおすという一大イベント。
貴子には、歩行祭の間に心に決めていた賭けがある。
ただ歩くだけ、それだけの行事が、一人ひとりにとって大切な思い出になっていく。
登場人物が全員とても魅力的でした。
やっていることは歩き続けて、たまに休む、というだけなのに、その中でも様々な出来事があり、
友人との関係や、少し気まずかった人との関係にも変化が起きていくのが面白いです。
「友情」の強さをここまでしっかりと感じられる作品はあまり多くはないと感じました。
青春時代のワンシーンを切り取った話であることと、地元特有の行事やその土地への愛情を印象的に描いている点が共通していたので、選定させていただきました。どちらもまるで自分もその土地の暮らしに溶け込んでいるような気分で読み進めることができるので、毎日の暮らしから離れて少し違った日常をのぞいてみたい、という時におすすめです。
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