あらすじ
確率って何? 統計とは結局なんなの? を会話形式でかつ小学生が習うレベルのかけ算割り算をつかって説明説明してくれている。
並び方、組合せの数の算出から平均値と中央値、最頻値の違い。そしてばらつき(標準偏差)までが解説範囲。わかりやすく読みやすい、にこだわった一冊。
確率と統計の仕組みを理解することで、つまり本書を読むことで他人の主張に疑問を持つことが出来るようになる。例えばニュースで8割のヒトが良いといっています、と聞くと一見大半のヒトがそう言っているように見受けられるが、実際にはどのようなヒトから意見を集めたのかによって結果は変わってくる。言ってしまえば情報発信者が自らの都合の良い角度から情報発信している可能性があるということ。そこに疑問がもてるのだ。
疑問を持つイコール違う角度から物がみれるということ、その道筋が多いほど真実に近づくことになる。
情報過多のこの時代、何が正しいかは自分の目と頭で判断しなければならない。統計と確率はそれを可能にする武器の1つであり、その武器を手に入れるための初級本という立ち位置に本書はなろう。
次に読む本
学力の経済学 中室牧子
100人いたら100通りの考えと持論がある子育て論について、感覚や経験ではなく科学的な統計データ根拠に基づいた最適解を示している本。
例えばにんじんぶら下げる作戦(宿題終わったらおやつあげるよ)は有効、褒めて伸ばすも行動や過程を褒めれば有効。
統計データという客観的で信憑性のある数値を使い教育という謎を紐解いている。
普段はあまり意見を言わなくても子育てとなると自身の経験(おれはこうやって育ってきた)や持論(こうしたほうがきっと子供の役に立つ)という根拠のない方針を示す方が多い。それだけ子育て、教育にみんなが真剣ということ。
十人十色なんだから子育てに正解なんてない、と他の意見をシャットアウトするのではなく、統計で出された解、つまりあるパターンの時の最適な解は何かを知った上で自身の考えをプラスしてよりよい方法を見いだすことが出来る。
本書は日常起こりうるケース毎に統計データがどうだったかを元に最適解を示しているので日々の生活に落とし込むことが容易なのが最大の魅力だ。
学力の経済学、の最大のお薦めポイントは即実行可能なところ。ただ知識を提供しているだけではなく、実際の子育て・教育現場に結びつける事が可能なのだ。
難しい数式はまったくわかりませんが、確率・統計を教えてください! は統計学の教科書的な役割でじゃー実際に実生活にどう落とし込めば良いのか、までは内容がない。そのかわり統計や確率というものを非常に簡単に理解できる。
まず統計や確率を理解した上で、実践編である学力の経済学を読めば統計データの根拠への腹落ち度が高まり、自身の子育てに取り入れてみようと実行に前向きになれる。
難しい数式はまったくわかりませんが、確率・統計を教えてください! で準備し、学力の経済学で実行に移す。そのようにこの2冊を活用して頂きたい。
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