AIの壁 人間の知性を問い直す(養老孟司)の次に読む本

あらすじ

「いつの日か」とか「どこかでは」と思っていたらいつの間にかとっても身近な話題になったAI。仕事が奪われる・・・いやもっとクリエイティブな仕事に専念できる・・・というか、AIもクリエイティブできるの?・・・教育に活用されるなんて話も・・・そんな様々な背景を踏まえて、おなじみ養老先生と専門家・研究者から羽生善治さんに及ぶまで幅広い視野・英知が捉えるAIとのこれから。人間の可能性、経済との関わり、そもそも知性とは?一体そこにはどんな壁があるのか・・・!

じっち
じっち

何かをテーマに考えるとき、よりよく考えようとすれば、自ずから「そのテーマそのものよりもっと広いもの」を考えることになると思います。あるいは「そのテーマを鏡として自分を深く考える」こともあるでしょう。本書に集まった英知ある方々がAIについて考えるとき、たくさん出てくる「そもそもさ・・・」という立ち位置がそれです。そこから見える、人間論にたくさんの学びがありました。

次に読む本

数学する人生(岡潔/森田真生 編)

日本が生んだ偉大な数学者、岡潔(1901-1978)。浮世離れしながら世界的発見につながる研究にいそしんでいた岡が、「ちょっと今の世の中、このままじゃいかんわな」 との思いから綴り始めたエッセイ。その代表作である 「春宵十話」 をはじめ、晩年の講義録などをとりまとめた書。

じっち
じっち

岡が唱える 「数学の真ん中にあるのは、情緒です」 という一言を丁寧に拾いあげる編者森田真生の姿勢、文章力も秀逸。 岡潔は言う・・・「わかる」というのは、あちらがわにいってふと自分でないものになって、そこから帰ってくる、そのときにわかるんです・・・ちょっと意味わからないですよね?でも、この本を読むとその感覚の片鱗に触れることができます。同じく岡の言葉に、 「知・情・意」 このうち、やっぱり「情」が納得しないと、人はわからんのです・・・というのがあります。明らかに知が先行してきた現代、岡の目線と編者森田のビジョンがクロスする本書は、我々が確認すべき根っこを優しく照らしてくれる。

じっち
じっち

「AIの壁」の中にも、AIには○○はわかるのか?できるのか?という問いの前提に迫る視点が多くあります。その代表的なものが 「AIを考えることを通じてそもそも人間とはなんなのか。知性とはなんなのか」というもの。その問いに達したとき、岡潔の「万物は情でつながっている」という言葉に多くのヒントがあると感じました。AI、そして数学。どちらも専門家以外には 「おぇぇぇ」ってなるものですが、それを考える先に見える「わたしたちの姿」。世界の、自分の姿を映す鏡として、この二つをおススメします。




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