『生きてるだけで、愛。(著者:本谷 有希子)』の次に読む本は『人間失格(著者:太宰治)』

あらすじ

主人公寧子は過眠症で一般的な生活ができず、恋人の津奈木と同棲しながら破滅的な生活を送っていた。

「生きてるだけで疲れる」寧子の前に現れたのは、パワフルな津奈木の元恋人、安藤。

津奈木とよりをもどしたい安藤は寧子に自立した生活を送るようせまる。そして、寧子のイタリアン・レストランへの就職を強引に決めてしまう。

レストランのオーナーは元ヤンキーながら、店の雰囲気はとても家庭的で寧子はあっさりうけいれられる。

しかし、飲み会の席でちょっとしたことから違和感が膨らみ、寧子は奇行に走ってしまうのだった…

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どうしようもない女主人公寧子。行動だけを見ていれば、この寧子と津奈木はどうして同棲しているのか?と思えるほどの破天荒さ。しかし読んでいるうちに、過眠症による不安定な精神の中、まともに生きたくても生きることができない寧子の葛藤が伝わってくるようになります。生きづらいと感じている人には、共感する部分があるのではないでしょうか。

次に読む本

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『生きてるだけで、愛。』の次に読む本には、元祖生きづらい系小説家、太宰治の『人間失格』をお勧めします。

『人間失格』(著者:太宰治)

「恥の多い生涯を送ってきました」と語る主人公の転落人生が書かれた本書。

名家に生まれ、顔立ちも良く頭も良かった少年三葉がいかにして「人間失格」になっていったのか。

女性におぼれ、麻薬や酒の誘惑に飲まれて人生が破壊されていく壮絶な様が怖ろしい、太宰治の代表作。

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太宰治の自伝的小説ともいわれる『人間失格』。この小説を書いた1か月後、太宰治は女性とともに玉川上水で入水自殺をしました。生きづらかったのは『人間失格』の主人公だけではなく、太宰自身でもあったのです。

『人間失格』では、生きようと葛藤する中で主人公の理性が無残に失われていく様が克明に描かれています。

男と女、昭和と平成という違いはあれど、「生きづらい」という苦しさは『生きてるだけで、愛。』にも『人間失格』にも共通するテーマだと思います。




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