あらすじ
感謝について書かれた本は多く、感謝の効能については脳科学者や精神科医などの専門家が解説した本、感謝のすすめについてはビジネス本や自己啓発本などによく見られます。
感謝本は、読んでいる間は非常に心地よく、読んだ直後は即実践したくなります。しかし、感謝をし続けるのは大変難しいもの。
そこで本書は感謝の気持ちを持てるようになるにはどうしたらいいのか? 心に余裕がないときに、いかにして感謝の気持ちを持つのか?
まず「感謝とは何なのか」「感謝と幸せの関係」など、感謝の本質について掘り下げた上で、いつでも感謝できるようになるために心を整える方法をお伝えします。
「ありがとう」が言えなかったり、感謝の気持ちが出てこないのは何らかの要因で、心に余裕がなくなってしまうからです。
心に余裕を持つことこそが、感謝をする上での基礎となり、土台となります。
感謝には二種類あります。「人から何かをしてもらったとき」の感謝と「何かをしてもらったときではないとき」の感謝。
どんな状況でも感謝できるようになるには、後者の「何かをしてもらったときではないとき」の感謝――つまり、存在への感謝が重要です。
存在への感謝を、家族、友人などの自分を取り巻く存在から、次第に尊敬する人、自分を取り巻く人など、最終的には自分自身と感謝する対象の範囲を広げていきます。
心に余裕をもち、存在へ感謝するための7つの考え方を伝授。
7つ目の考え方「承認の振り返り」では、感謝する気持ちを継続させるための強力なツールを紹介します。
この本で、簡単そうで実は難しい感謝の気持ちを継続させるチカラを身につけてください。

ひところでは自己啓発本やビジネス本に多かった感謝に関する本ですが、最近では精神科医や脳科学者などの専門家も感謝のメリットについて発信しています。今や「いいことばかりでやらない理由はない」はずの感謝の習慣ですが、実際に継続するとなると、そう簡単にはいきません。
私達の生活には様々なストレスが取り囲んで、心をさいなみ、状況によっては感謝するどころか、たちまち不平不満だらけに……
そのために、感謝のメリットは分かっていても「始める勇気が出ない、続けられない」という人も多いのでは?
そんな方にお勧めのが本書。
心に余裕を持つことと感謝をすることを両立させる7つの思考を丁寧に解説しています。
中には「作業内容を切り替える」など、一見ライフハック的な内容で、感謝とは関係ない内容のように思えますが、本文を読むとなるほど納得。無理をすると心身に負荷がかかり、心のゆとりをなくして、感謝どころではなくなってしまいます。
個人的には、【第4の思考】「調子にのらない」と【第6の思考】「生き急ぐを防ぐ」という項目が心に響きました。
人はえてして上り調子のときには驕って、先を急いで前進したくなるもの。そんなときに周囲が見えなくなり、思わぬ失敗をしてしまいます。自分のつたない経験からも身に染みて実感できます。ただの情報を集めたノウハウ本ではなく著者の実経験から導き出された内容だと感じました。
「感謝本を読んだけど、腑に落ちなかった」人や、「感謝本は気にはなるけど、説教臭が強すぎて敬遠している」人に是非読んでいただきたいです。
次に読む本
「ストレスと闘う日々にやすらぎを取り戻す 怒る技法」著者 草薙龍瞬
ストレスだらけの社会で怒らないのは無理。むしろ怒っていい。ただし、正しい怒り方が必要。
初級編
まず怒りには「相手発」「自分発」の2種類がある。
相手発の怒りは、返すか受け流す。返すほどの価値がない怒りは早めに受け流す。
返さなければと思う怒りは、気持ちを整理して相手に伝える。
小さな怒り要因にはできるだけ離れる。かわしきれなかった怒りは、溜め込まない前に、お腹瞑想や千歩禅などの手軽なストレス解消法で忘れる。
腹が立ったときには、楽しいルーティンをみつけて、価値ある楽しい一日にして締める。
中級編
イライラの原因は妄想である。都合のいい妄想を抱いて、それが打ち砕かれるからイライラが増す。まず妄想だと気づき、都合のいい判断をやめて、妄想を消す。
他人を見ると比べて嫉妬したり、判断したりする。できるだけ他人を見ないようにする。
他人に振り回されないようにするには、サティ=気づきと現状を認識するラベリングが必要。
自分と他人との境界線を張ることを大事にする。
上級編
手強い相手に対し、相手の勝ちパターンを認識して対策する。対峙するときは、足の裏に意識を持っていき、胸の鼓動を感じてから目を開く。相手の言葉は音として捉えて受け流し、自分の意見をはっきり言う。
最終的に相容れない場合は関わりを断つ勇気も必要。

感謝に関する本と怒りに関する本ではかけ離れている――と考える方もいるかもしれません。
でも感謝の継続を妨げるのはストレスで、特に怒りは最大の敵となります。
とはいえ、現実には様々なストレス要因があり、怒りを抑えるのは至難の業です。
そこでオススメなのが本書「怒る技法」です。
僧侶である著者・草薙龍瞬さんは「怒っていい」と断言。
アンガーマネジメントに代表されるように、怒りはネガティブなもので、まず抑えなければならないもの――と考えていたのですが、まさに目からウロコです。
ストレスだらけの世の中で怒らないでいるのは無理がある。
個人的に長年、「どんなときも怒ってはいけない」と信じ込んで自分を縛っていました。著者に「怒ってもいいんだよ」と許されたような気持ちになって、ホッとしました。
ただし、怒ってもいいけど、「正しく怒りに対処することが大事」と説きます。
まず怒りの要因を二つに区分して、かわす、流す、返す、活かすなどの技法を使って、怒りに対処していきます。
一番最初のステップである「相手発」と「自分発」で怒りを区別するだけでも、かなりの部分の怒りは静められると感じました。
本書最大のポイントは、対するのに一番難易度の高い相手「慢の人」との対峙の仕方です。
「慢の人」とは高慢、傲慢で「自分のことが絶対に正しいと思っている人」です。職場、家庭、どこでもそんなタイプの人はいます。
自己正当化することに長けている人の言動に無防備では、やられる一方です。理不尽な人と毅然と対処する方法が丁寧に解説されています。
終盤の章では「褒められたい」という欲や劣等感を卒業して、人の目を気にせず本当にしたいことにチャレンジする勇気をもらえます。
この本で人生のあらゆるストレスを解消する方法を手に入れて、その上感謝する習慣を身につけたらずっと幸せな人生を歩めそうです。
おススメポイント

「感謝」に関する本は散々読んできましたが、「分かっちゃいるけど実践できない」のが本音で、いくら感謝しようと思っても、その前に理不尽なこと、腹立たしいことが日々起こってしまい、感謝どころではなくなっていました。
その点、「感謝のチカラ」は何故感謝できないのか、感謝できるようなマインドセットになるにはどうすればいいのかが説かれていて、感謝の根源が書かれており納得できるものでした。くわえ、「怒る技法」正しく怒る方法を身につければ、人生のどんな出来事にも、心揺らぐことなく泰然と生きていけると思いました。感謝しなければならないのは分かっているけど、続けられないと悩む人にオススメしたいです。

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