ぼくのシェフ(長谷川まりる)の次に読む本は

あらすじ

国いちばんの料理人の父親を持つ少年シャール。ある日、慈善団体での活動中に、天才的な味覚を持つ少年アズレと出会う。文字が読めず、料理を知らないアズレに、シャールは文字の読み書きと料理を教えることに。
それから数年が経ち、世間では「食死病」という病気が広がっていた。食べることができなくなり、やがて餓死してしまう不治の病。
シャールとアズレの関係性も、少しずつ変わっていく。

読み始めたときは、少年二人の成長物語かと思いきや、
食死病が登場してからは不穏な空気の中、驚きの展開にハラハラドキドキ。
食死病という未知の病への恐怖、シャールとアズレのすれちがい。
この後どうなってしまうんだろう・・・と、先が読めないストーリー運び。
児童書だと思って侮るなかれ。
読み応えがずっしりとした物語でした。

次に読む本

人間みたいに生きている(佐原ひかり)

食べるという行為に嫌悪を覚える女子高生・三橋唯。
単純な好き嫌いではなく、食べ物を口に入れるだけで気持ち悪くなってしまう。飲み込むなんてもってのほか。
しかし、自分の体質に共感してくれる人なんていない。
誰とも分かり合えない孤独を感じていた唯は、同じ体質を持つ男性と出会い…。

唯が食べ物を口に入れるときの触感、咀嚼するときの気持ち悪さが、
グロテスクに感じてしまうほど、リアルに描写されていて、
唯の体質を実体験しているかのような嫌悪感を感じました。
そして、それを誰とも共有できない寂しさも、ひしひしと感じます。
ずっと隠していたことを打ち明けるのは、ものすごく勇気がいること。
だけど、打ち明けた先の未来は、今とはきっと違っているはず。
唯を応援しながら、もし自分が打ち明けられた側だとしたら・・・と考えずにはいられません。

おススメポイント

二つの本の共通点は、食べられない体質のまま、どう生きていくかを模索していくこと。
食べられないから、餓死を待つ。
食べられないから、人間関係を断つしかない。
そんな絶望の淵に落とされ、指先数本でしがみついている登場人物たちが、どう這い上がっていくのか。
最後に見える希望の光の一筋を、ぜひ見届けてください。




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