随筆集 波紋を掬う : ささやかな日常の輝きを照らす やさしく温かな心の光(天野典子)の次に読む本は

あらすじ

カウンセラーの天野典子氏が24歳から47歳まで『女の気持ち』と『こだま』の2つの機関誌で投稿した随筆を92編収められた随筆集。
天野氏の独身時代から結婚、専業主婦時代、カウンセラーの仕事をやるまでの23年の歴史が詰まっています。
さまざまな学びの場に出向き、そこで学んだ話やボランティアに参加したことで得られたこと、病気や交通事故といった不運に遭遇したときにどう考えたかなど、そのときに感じたことをストレートに表現。
どんな出来事もポジティブな考えに変換して書かれています。
また、天野氏が実践している“楽に生きるための秘訣”も書いてあり、日々の生活を充実させるコツも学べる随筆集です。

今作を読み、天野氏の向上心と新しいことに果敢に挑戦する姿勢、そして逆境にも屈しない心意気に深く胸を打たれました。
その姿から、私自身も「もっと頑張りたい」と強いエネルギーをいただいた気がします。
天野氏の明るい人柄からは、一見すると順風満帆な人生を歩んできたかのように見えます。ですが、実際には数多くの壁や試練があったことを知り、その一つ一つを乗り越える中で、支えてくれた人への感謝を決して忘れない姿に心から感動しました。

人として成長したいと願うとき、また自分を奮い立たせる勇気がほしいとき、必ず手に取ってほしい一冊です。

次に読む本

こころきらきら 枕草子 笑って恋して清少納言(木村耕一)

世界最古の随筆集である枕草子の中から抜粋して綺麗なイラストと一緒に現代語訳にまとめた1冊。ほかにも作者の木村耕一氏が清少納言の百人一首の歌碑が残っている逢坂の関に訪れた現地ルポ、木村氏が清少納言、紫式部を現代に招いてインタビューしたという設定で枕草子が書かれたときの裏側まで掲載。
清少納言が仕えていた中宮定子のまわりは、当時優雅とは言い難い状況。枕草子が政治的状況には一切触れず、日常の華やかな部分にピックアップして書かれた理由がここに明かされています。

学生の頃は、枕草子といえば気取った清少納言の自慢話のような随筆だと教わり、あまり良い印象を持っていませんでした。ですが今作を通して、彼女がどのような想いで枕草子を書き残したのか、その背景を知ることができ、胸が熱くなりました。
清少納言が見つめていた自然の美しさや、自分を救ってくれた人を大切に思う心は、千年を超えた今でも変わらない感性だと感じます。
「クヨクヨしている時間はもったいない」といった彼女の前向きな言葉は、まるで背中を押してくれるようで現代を生きる私たちにも深く響きます。
久しぶりに枕草子を読み返したくなった方、そしてその誕生の物語をまだ知らない方にこそ、ぜひ手に取ってほしい一冊です。

おススメポイント

天野氏と清少納言、どちらも常にポジティブな視点で生きる力強い姿が、随筆を通してしっかりと伝わってきます。
2人の言葉の中には、困難な時でも前向きに捉える力、そして周囲への深い愛と感謝の気持ちが伝わりに胸が温かくなります。
現代の随筆と古典を並べて読むことで、時代を超えて共通する人間らしさに触れ、驚きとともに新鮮な気持ちでページをめくることができました。
特に、人生の前進が必要だと感じる時にこそ、心に力を与えてくれる2冊の随筆集。まさに、心が軽くなり、進む力を与えてくれる貴重な一歩になることでしょう。




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