あらすじ
フリーライターの猪名川健人は40歳になった日に
大婚活パーティを運営する「ドリーム・ハピネス・プランニング」の紹介記事を書く仕事を引き受ける。
記事作成のために猪名川健人も婚活に参加し、
そこで「婚活マエストロ」と呼ばれる成婚率の高い社員、鏡原と出会う。
最初は仕事として仕方なく婚活に関わっていた猪名川だが、
婚活を通じて、人との関り方や考えに変化が表れる。
婚活マエストロを読んだときに
自分自身が婚活をしていたときのことを思い出しました。
作品の中で出てくる婚活パーティでのエピソードは、
婚活をしていた頃の自分と重ねて、「これあるある~」と
思わず笑ってしまいました。
私は結婚を目的として婚活をしてましたが、
作中には様々な目的をもって婚活に参加している人たちが描かれており
婚活の手法や目的も幅広いのだなと感じました。
結婚がすべてではないですが、
猪名川が人と関わることで変わっていったように
人と人の繋がりでしか感じられない幸せや気持ちがあると思いました。
次に読む本
俺はこのままひとりぼっちで、いつかおかしくなってしまうんだろうか(南綾子)
SNSでバズっていた【男性は孤独に弱くてひとりぼっちでいると生きる気力を失い、おかしくなってしまう】という投稿を見つけた、売れない小説家兼雇われコンビニ店長の春来。
今後もずっと一人で生活し、その孤独を抱えていけば、俺も頭がおかしくなるのかと不安になる。
そんな不安を抱えたまま、変わらぬ日々を過ごしていると周囲の同年代の同僚や友人たちも、それぞれの抱えているものがあることが見えてくる。様々の不安や事情を抱えながらも生きる春来、夏枝、秋生、真冬4人の繋がりを描いた物語。
この本を読んで1番最初に感じたことは、
私を含め、誰しもが「ひとりぼっちで、おかしくなってしまう」
可能性があるということでした。
この本には様々な事情を抱えた登場人物が
出てくるのですが、私は【夏枝】に共感を覚えました。
「この人は未来の私かもしれない」と。
今まであまり感じてこなかったですが
結婚していても死別や離婚で、一人になることって誰でもあり得ることなんだと実感しました。
ただそうなったときでも、
「誰かと一緒に暮らさなくても、配偶者を得なくても、こうして通りすがりの人の親切を少し借りながら、一人で、自分の力で、立ち直った、そんな気がする。」と夏枝が気づいた場面のように、
周囲にいるその時その時に関わる人たちの少しの優しさや親切に気づき、大切にすることで人は孤独をやわらげ、生きていくことができるのだろうと感じました。
おススメポイント
この2冊には「結婚」「40代の登場人物」「人と人の繋がり」という共通点があります。
【婚活マエストロ】は「人との繋がり」を前向きな側面を描いている一方で、【俺はこのままひとりぼっちで、いつかおかしくなってしまうんだろうか】では、人と関わること生まれるネガティブな感情やトラブルなど負の一面も描かれています。
婚活に前向きに取り組めるように背中を押してほしい人には【婚活マエストロ】を、
結婚することや独身でいることについてじっくり考えたい人には【俺はこのままひとりぼっちで、いつかおかしくなってしまうんだろうか】をお勧めします。
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