あらすじ
架と真実は婚活アプリで出会った婚約中のカップル。「ストーカーに追われている」と架に打ち明けた真実が、突然いなくなってしまいます。必死に真実を探す架に、真実の過去が次第に見えてきます。一方の真実も、自分の過去と架の過去を照らし合わせていくのでした。
全編を通して「痛いトコつくなあ」と思わず言いたくなりました。架と真実は、生活環境・進学・友人関係・就職など、これまでの人生に、かなりの違いがあります。距離を置きつつ、相手の過去・自分の過去に向きあう2人。2人の描写が細かく、自分のことを言われているような気になりました。架と真実は、幸せな人生を送ってほしいです。
次に読む本
「婚活マエストロ」(宮島未奈)
40歳の独身Webライター猪名川健人が、取材を頼まれた婚活パーティーを主催する会社には、別名「婚活マエストロ」と言われる女性社員が所属していました。その後、会社の応援や手伝いを頼まれる猪名川の心に、変化が訪れます。
Webライターの日常が、とても面白く書かれていて笑えます。建人は、ライターの取材を頼まれただけなのに、婚活パーティーのサクラ(自身の婚活も可)やパーティーの司会までさせられてしまう様子は、宮島未奈さんの前作「成瀬は天下を取りにいく」を彷彿とさせます。前作が好きな方は、期待を裏切らない小説です。
おススメポイント
かなり作風が違いますが、この2冊は「婚活」がテーマです。「傲慢と善良」は、婚活アプリで出会った人たち、「婚活マエストロ」は、婚活主催者側の人たちの小説。作風が違いますが、主人公が自分と向きあう姿は、どちらも似ています。2冊とも、誰も最後は不幸にはなりません。安心して読めます。
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