あらすじ
大谷翔平を「社会現象」として考える、という本。
よくあるスポーツジャーナリズムのように、アスリートへの取材やインタビューをしているわけではない。
この本ではテレビやインターネットなどのオープンリソースや著者自身の体験を基に「大谷翔平という稀代のアスリートと彼の周辺で起きているさまざまな事象を自由気ままに語る」というコンセプトである。
大谷選手とその周りで起きているニュースについてまとめている。
大谷を中心として社会現象に注目することで、現在のアメリカの姿も見えてくる。
私は野球に馴染みがなく、大谷選手の存在がここまで世界に影響を与えているのかと驚いた。
大谷の年俸支払いを後払いにすることで、カルフォルニアの税制にも影響を及ぼしているというニュースを知った。
1人の選手の年俸が州経済にまで影響を及ぼすとは衝撃だった。
またドジャースは契約後に、大谷を主人公にしたアニメーションまで公開しているという。
野球好きの少年が夢を叶え、プロのアスリートになるというストーリーのアニメだ。
アメコミ風ではなく、アニメ大国日本の絵柄を模したキャラクターデザインが採用されているらしい。
大谷選手はスシ、アニメに並ぶ日本の象徴になり、アイコンとしての価値が高まっていると改めて感じた。
次に読む本
『日本再発見』 駐日ジョージア大使 ティムラズ・レジャバ
レジャバ駐日ジョージア大使が日本の魅力について語った本。
著者は幼少期、学生時代を日本で過ごし、日本は第二の故郷と語る。
著者の経験から日本の文化や社会について、外側から見た日本の姿を描き出す。
本書の内容
・日本の伝統文化について
・著者の子供時代の体験
・著者の早稲田大学在学中の思い出
・日本人の労働
・日本の食文化
など
著者はジョージア出身である。
寡聞にして、今まで私はジョージアに対する知識を持っていなかった。
ジョージアでは国のシンボルであるワインを嗜む時に「スプラ」と呼ばれる伝統儀式を行うという。
これは日本の茶道に通じる文化であると著者は語る。
読了後は日本の魅力を再確認すると共に、ジョージアについて興味を惹かれた。
著者は日本人がグルメに対して関心が高いと指摘している。
ジョージアについて調べてみた際に、私も例にもれず、ジョージアグルメに目が行ってしまった。
本書でも紹介されているハチャプリ(チーズ入りパン)はパン好きとして1度は食べてみたい。
おススメポイント
日本のイメージといえば、「スシ、アニメ、ゲイシャ」などのアイコンがステレオタイプ的に認知されている。
外国人観光客に「日本の有名人で誰か知っているか」を問うと、1番に大谷選手の名前が上がるようになった。
最近では日本の象徴として「オータニ」がその代表に加わっている。
『大谷翔平の社会学』内野宗治の次に読む本はで国内外で起こる大谷旋風に目を向け、『日本再発見』で外から見た日本のイメージと魅力を学ぶことができる。
余談ではあるが、著者が2人とも「パワプロ」好きな少年であったことも2冊は関連している。
2冊ともあわせてチェックして、日本の魅力を再発見してみてほしい。
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