あらすじ
脳のパフォーマンスを上げるため方法を遺伝子学的に説明された本
脳のパフォーマンスが上がらないのは、遺伝子上、脳内回路に“断線”が起きている。
高いパフォーマンスを発揮するには「ストレス耐性」が重要。このストレス耐性にも遺伝子が大きくかかわっている。
正しい生活習慣、食生活を行うことでストレス耐性は向上する可能性がある。
脳内の回路とは「メチレーション回路」と呼ばれ、この中で脳内ホルモン(ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン)が生成されます。
メチレーション回路とは脳内で水車が回っていくイメージで、これがうまく回っていると良いパフォーマンスが発揮できます。
うまく回すためには正しい食生活が必要ということです。
各遺伝子の特性によって対応方法は変わるようなのですが、本書でよいとされているものの一例は、たんぱく質の摂取とグルテンフリーとカイゼンフリー。
グルテン(小麦製品)とカイゼン(乳製品)の食材を摂取しないようにするということです。
そのほかにも遺伝子の特性によって摂取すべき食材、摂取しないほうがよい食材が紹介されています。
著者の小倉氏は労働衛生コンサルタントという肩書で、多くの経営者は有名人を診察し改善させてきたようです。
この実績から内容については信用できるのでしょうが、「医学的に」というタイトルにもある通り内容は少し難しいです。
「メチレーション回路」やそれをつかさどる各遺伝子の名称などの専門用語が頻出されます。
この脳内の仕組みを完全に理解できなくても、パフォーマンスを最大限にする食事、食材は認識できます。
ただし、本書で推奨されている、グルテンフリー、カイゼンフリーはなかなか実施は大変です。
特にグルテンに分類されるのはパンやパスタ、うどんなど身の回りにあふれているものばかり。
本書でもこれでストレスになっては元も子もない、6割達成でOKと謳っていますので、少し意識するということでよい気がしました。
次に読む本
ストレスフリー超大全(樺沢紫苑)
本書は、ストレスフリーな人=ストレスと上手な付き合い方ができ、ストレスを貯めこまない人
になるために必要な考え方や解決法が多数紹介されています。
精神科医である樺沢先生のもとには、日に数十件の悩み相談があるそうです。
本書では、その中でも多くの人が悪いストレスを感じやすいものをテーマにしています。
実際に受けた悩みをもとに作成されているので、必ず読者の悩みが本書に記載されているはずです。
そして、その悩みの解決方法が具体的に記載されています。
実際寄せられた悩み相談から、その解決方法が紹介されているので、誰でも共感できて説得力があります。
そして、その悩みの原因を解説するだけでなく、それを解消するための「ToDo」が、実際にできるレベルで紹介されています。
これにより行動に移しやすくなっていて、実際にやってみようという気になります。
また、多くの悩みの解決方法を幅広く扱っており、シンプルに簡潔に記載されています。
もっと深掘りしたい場合にはお勧めの書籍が紹介されていますので、次に読む本に困りません。
ストレスの根源である生活習慣を整えるべく筆者が提唱している「朝散歩」は私も実施しており、お勧めの健康法です。
「ビジネスエリートのための医学的に脳のパフォーマンスをMAXにする方法」はストレス耐性について、「ストレスフリー超大全」はストレス対処法について書かれた本です。
両書ともに、脳内で生成される脳内ホルモンである、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンを重要視しています。
前者は、遺伝子的観点からこの3つの脳内ホルモンが生成されやすくする食事を紹介しており、比較的専門的内容となっており、後者は精神科医の目線から、生活習慣によって3つの脳内ホルモンの生成しやすくする方法を紹介しています。
視点がかなり異なる2人の専門家が語る、脳内ホルモンやストレスについての共通点にフォーカスして読み比べてみると面白いかもしれません。
コメントを残す