あらすじ
食品業界はアナログでどこか古典的なイメージがあります。そんな食品業界にもついにテック(テクノロジーの力)を活用し、新たな価値提供や社会課題の解決にむけた取組が進んでいるという内容です。
今、世の中には安くて便利で美味しいものが溢れていますが、食の領域にも美味しさや時短、機能性などのニーズから、より心理的な価値や体験など単に食べて美味しい以外のニーズが出てきています。その理由は、世界のフードテックの市場規模が2025年までに700兆円規模に達するという衝撃的な発表があったからです。
※フードテックとは
食のシーンにデジタル技術(特にIoT)やバイオサイエンスなどが融合することで起こるイノベーションのトレンドを総称した言葉と定義されています。
「食」に関わる仕事をしている身としては、勉強になったと同時にいかに勉強不足だったかを痛感させてくれる本でした。あらすじにも触れていますが、食に対するニーズがいかに多様化しているか、ということを様々な視点と事例で分かりやすく教えてくれます。今後どうやって世界100憶人の胃袋を満たすのか?という問いへの答えとして、今話題になっている「植物肉」で解決していく、という内容は個人的にも納得感がありました。これから先の未来の事例についてもまとまっており、読み物としても面白かったです。
次に読む本
「アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る」(藤井 保文、尾原 和啓)
「オフラインがデジタル世界に包含される」世界のことを「アフターデジタル」と呼んでいます。モバイルデバイス/決済などの普及に伴い、データ化できないオフライン行動はなくなりつつあります。中国では、アリペイなどのモバイル決済やシェアリング自転車が普及しており、行動データが蓄積される環境ができており、日本より「アフターデジタル」に移行しています。それは「オンライン」が主となり「オフライン」が従となり、主従が逆転することを意味しています。それは中国に限った話ではありません。本書では、世界をまたがる様々な企業の成功事例を交え、これからの「アフターデジタル」における戦い方と視点を教えてくれています。
コロナで働き方が一気にデジタルに変わりつつある中、本書を手に取りましたが、非常に勉強になる1冊でした。世界の一部では、オンラインが主でオフラインが従である、という考え方には、頭をガツンと殴られたような衝撃がありました。「本当にそうなのか?」という疑問に対して、具体的にかつロジカルに紹介されており面白かったです。この本がコロナ前の2019年に書かれた本であることにも驚きました。本書は「2」も出ていますが、個人的には入門編のこちらの「1」の方が、分かりやすくておすすめです。これからを生きるビジネスパーソン必携の本です。
2冊とも「世界が急速に変わりつつある」ことを、丁寧で具体的に教えてくれます。ただの事例の羅列ではなく、ワクワクする未来を教えてくれるため、楽しみながら読み進められることもおすすめポイントです。ぜひ、「テクノロジー」や「デジタル」という言葉に苦手意識がある方に読んでもらえればと思います。2つの本を読むことによって、少し敬遠していた言葉との距離が縮まるはずです。実は私自身も上記の言葉に苦手意識がありましたが、前向きな気持ちに変わりました。世の中の環境変化を理解することは、仕事だけではなく今後の人生においても役に立つと思います。
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