あらすじ
本書はイギリスで話題となった男女格差を綴ったベストセラーを翻訳したもの。
普段私達が疑いなく見ているデータは果たして事実(ファクト)なのか、いや、そうではない、ということを深く掘り下げた内容となっている。また、当たり前だと思い込んでいる日常風景に実は多くの間違いが潜んでいるということを的確に指摘している。最新家電、職場、医療、災害現場などで見られる不公平さや、多様性(ダイバーシティ)の大切さを様々な角度から、膨大なデータをもとに言及。
最近、女性に対する蔑視発言が取り上げられましたし、多様性(ダイバーシティ)という言葉をよく耳にします。この問題は、決して女性だけの問題ではありませんよね。全人類が真剣に向き合っていくべき課題であると思います。この本は分厚く、文章もぎっしりつまっているので、実際に手にすると読むことを躊躇してしまう人もいるかもしれません。ですが心配ご無用です。普段男女格差についての本を読むことがなかった私でも、難しい言葉が使われておらず、とても読みやすかったからです。
著者の世界を変えたい!という強い思いに圧倒されるはずです。
次に読む本
おとめ六法(上谷さくら・岸本学)
著者は男女2人の弁護士。憲法・刑法・民法といった六法の中から、小さい女の子から大人の女性までに関わる法律がピックアップされている。
「恋愛」「SNS・インターネット」「学校」「くらし」「しごと」「結婚」という私達にとって身近な事柄の中から万が一トラブルに巻き込まれてしまった時の対処法を図やイラストとともにわかりやすくまとめた女性に寄り添った法律集。イラストを手掛けたのはイラストレーターのCaho。やわらかなタッチと色合いのイラストで本全体がより優しい印象に仕上がっている。
女性の生涯を守る法律が網羅されているので、全ての女性に読んでもらいたいですし、お子様がいる方はぜひこの本を手渡してほしいと思います。また、男性にも大切な家族やパートナーを守るために、読んで知識を深めてほしいです。この本を読むことで、法律は自分や大切な人を守ることができ、時には武器にもなるということが改めてわかりました。
被害にあうと、自分は悪くないのに自分を責めたり、責められたりする女性は多いそうです。自分を責めないためにも、また被害者を責めないためにも全ての人に読んでほしい1冊です。
「存在しない女たち: 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く」を読むとまだまだ女性には生きづらい世の中であることが実感できるかと思います。それゆえ女性がトラブルに巻き込まれてしまう場合も多いのです。ですから、「おとめ六法」を読んでもしもの時のために備えておくことは決して無駄ではないはずです。
人類の半分は女性なのですから、男性と同等の権利を実現するべきです。この2冊を読むとそのことがより実感できるかと思います。1人1人が多様性(ダイバーシティ)についてより熟考し、男女共に生きやすい明るい未来を築き上げていきたいですね。
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