原田マハ著『楽園のカンヴァス』の次に読む本は

あらすじ

謎の大富豪から、著名な芸術家アンリ・ルソーの作品を思われる絵画の鑑定を依頼されたニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンと大原美術館の監視員かつルソー研究の第一人者であった早川織絵。 二人のうち説得力のある評を提出した方にこの絵を譲るという。 その絵のタイトルは「夢を見た」 誰が書いたかもわからない著書を7日間かけて読み、贋作か真作かを判断するという極めて異例な手法での鑑定を依頼された二人の運命は。

だん

実在するアンリ・ルソーの「夢」という作品になぞらえた小説。フィクションとノンフィクションが混在しているが、あまりにうまく溶け込み、美術への知識がなくとも楽しめる作品になっている。 鑑定のために著書を読み進めていく中での織絵とティムの感情の変化も見どころの一つ。 ルソーが作品に込めた「情熱」が織絵とティムがもつ美術への愛と、そして様々な感情をも誘発させる。 この小説の軸となる「情熱」。一見安直な主題のようにみえるが、「情熱」がいかに美しいものを生み出し、いかに人を動かすかをこの本は教えてくれる。 きっと読んでみればあなたもこの本に「夢」をみるだろう。

次に読む本

岡谷公二著「アンリ・ルソー 楽園の謎」

芸術家アンリ・ルソーの一生を出来る限り調べつくした本。 アンデパンダン展に出展しても笑われ続けた画家がいかにして、絵を描き続けたのか。どのような性格をし、どのような思いをもって絵を描いていたのかまで深堀された本。

だん

謎の多い画家ルソー。 この本でも解明されていないことは多い。 ただどうして笑われてまでも絵を描き続けてきたのかその真実が垣間見える。 どこまでも素直で、どこまでも純粋で、どこまでも一途であったのは間違いないだろう。 紛れもなく天才であるが、人間味のあふれるルソーの行動や言動に、どうしても親近感を感じれずにはいられない。 有名な作品の一つである「風景の中の自画像」内のパレットに書いてものを知れば、胸が締め付けられ、 「夢」の裸婦、ヤドヴィガが誰であるのかの謎はとてつもなく僕らの好奇心を掻き立て様々な物語を想像させる。 この本を読めば、今後ルソー作品の見え方も変わってくるだろう。

だん

「楽園のカンヴァス」は全くルソーを知らなくても楽しめる。 ただこの作品を読めば、ルソーを知りたくなることは間違いない。その時におすすめなのが「アンリ・ルソー 楽園の謎」だ。 「楽園のカンヴァス」はあまりに事実と創作が綺麗に融合しており何が史実かわからなくなる。 両作品に出てくるピカソやアポリネールとの関係性、そして「楽園のカンヴァス」の中心になる「夢」「夢を見た」の裸婦、ヤドヴィガは本当は誰であったのか、岡谷さんの本を読めば何が真実か整理がつくだろう。




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