あらすじ
80歳の認知症の母と、あと数年で定年になる主人公の奏介。奏介はもとも喧嘩っ早く、年下の上司からの指示も聞かず会社でもうまくいかない。 その上同居している母が認知症になり、今までの気丈な母でなくなっていくことに苛立ちが募る。 そんな折、母の口から「私は東洋の魔女」という言葉が。 1964年の東京オリンピックと2020年の東京オリンピック。 母の過去の記憶と奏介の現在を交互に繰り返す内に段々と分かってくる母の過去。 母は東京オリンピックの「東洋の魔女」だったのか。
最後まで、奏介のお母さんはいったい何を隠しているのか、 頑なに自分を、そして息子の過去を、息子に教えないのはなぜなのか、が気になり読み進めました。 親としてこどもの幸せとはいったい何なのか、こどもへの愛情とは何なのか、こどもの持って生まれたものを認めるとは何なのかを深く考えたくなりました。
次に読む本
世界に通用する子どもの育て方 松村亜里(著)
医療博士・臨床心理士であり、2児の母である著書が「ポジティブ心理学」という科学的に幸せを解明する研究をもとに子育てを考える本。 こどもの幸せや成功を願わない親はいないが、では何をどうすることがこどもの幸せにつながるのか。 「やればできる、と思うマインド」や「弱みでなく強みをベースに」すること、「多様性を尊重する」などを科学的データを基に解説しています。
私自身、もちろんこどもには幸せになってほしい。でも子育てには必要そうだとは思っていても、 「世界に通用する」ってなんだか胡散臭い?それって本当なの?根拠があるの?きれいごとじゃない?と感じることを 一つ一つ科学的エビデンスを基に説明しているので、そうなのか!?それならやってみてもいいかも!?今からやってみよう!と思えます。 実践できそうな事例が豊富なので、焦らずできそうな事から試してみるのが良さそうです。
一つは文芸作品、片や育児書。ジャンルは全く違いますが、親がこどもを幸せを願い、どうにか幸せに生きて行ってほしいと願う その思いは共通です。 時代によってこどもの個性を尊重する事が難しかった、理解されなかった時代もある。 そこで苦労をして藁をも掴む思いで、でも、こどもを信じて信念を持ってこどもを育てた昭和の母親と、 科学的エビデンスを以って現代も悩み続ける母親の助けるように書かれた育児書。 どちらもこどもへの思いを伝えてくれます。
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