あらすじ
シュウジは4人家族の次男で、土地柄の差別がある町に暮らしていた。ある日、落ちこぼれた兄のシュウイチが事件を起こし、シュウジたち家族の生活は一変する。バラバラになる家族、学校でのいじめ。ついにシュウジは町を飛び出すが、さらなる絶望が待っていたーー。暗く、深い、闇。胸糞の悪い中に、光はあるのか?
松波慶次
全体を通して、暗くて重いストーリーです。ずっと黒い靄の中を進んでいるような、息苦しさを感じます。人間の汚いところがたくさん見られるので胸糞が悪いですが、それでもラストは、少しだけ救われた思いがしました。
次に読む本
ケモノの城(誉田哲也)
1人の少女が、警察に保護を求めてきた。少女はある男に虐待・拷問をされていたことが分かり、少女が暮らしていたアパートにいたもう1人の女も共に事情聴取を受ける。そして見えてきた真相は、加害者と被害者が混在している、悍ましい監禁、殺害事件だった。胸糞が悪い事件の真相はーー。
松波慶次
「胸糞が悪い」小説という繋がりで選びました。『疾走』は何人も「汚い」人間が出てきますが、『ケモノの城』は1人の男が「汚い」を通り越して「身の毛もよだつ」ほど恐ろしいです。胸糞の悪さは『疾走』のさらに上をいきますので、心してお読みください。それと、グロ要注意ですよ。
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